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B’z稲葉浩志もヘビロテ? ジグザグ「きちゅねのよめいり」はなぜ中毒性があるのか

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ヴィジュアル系バンド「-真天地開闢集団-ジグザグ」の公式Instagramに投稿された2020年のアーティスト写真 -真天地開闢集団-ジグザグ
画像はインスタグラムより引用
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ヴィジュアル系バンド「-真天地開闢集団-ジグザグ」の代表曲の一つに、「きちゅねのよめいり」(2020年、2nd AL『慈愚挫愚 弐 〜真天地〜』収録)がある。

EDMをベースにコミカルな要素を採り入れた楽曲で、「狐の嫁入り」をモチーフにしているとみられる。キュートな振り付けも魅力で、フェスなどで演奏される際には、オーディエンスを巻き込み大盛り上がりだ。

また、B’zの稲葉浩志も同曲を「目が覚める曲」として紹介しており、普段から聴いていることを示唆している(出典:B’z PARTY 会報136号 Q&A頁より)。

ファンやプロのアーティストからも注目されている同曲だが、SNS上では以下のような書き込みが散見される。

「中毒性あるなあ…何回も聴いてしまうわあ」

「気づいたら昨晩連続10回再生してた」

「中毒性ハンパない ずっと頭に残る」

たしかに、一度聴いたら耳に残るキャッチーな曲だ。この中毒性はどこからきているのだろうか…。

そこで今回は、長年J-POP市場を研究してきた筆者が同曲の中毒性について分析してみようと思う。あらゆる面から探ってみると、単なるEDM系のコミカルソングではない、ジグザグの魅力を凝縮した珠玉の名曲だと確信できた。

シンプルな構成にもかかわらず上質なメロディ

まずこの曲で目を惹くのはシンプルな楽曲構成だ。実はメロディのモチーフは、Aメロとサビの2パターンしか登場していない。さらにコード進行は、AメロでⅠ-Ⅴの繰り返し、サビでⅠ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅳの繰り返しという極めてシンプルなものだ。それにもかかわらず、我々は「コンコン…」という掛け声のモチーフやAメロ、サビを漏れなく口ずさんでしまう。

これこそが、命 -mikoto-(Vo)が生み出すメロディが上質なものである何よりの証左であろう。ここまでシンプルな構成で聞き手を終始惹き付けるとは、いやはや、命 -mikoto-はコンポーザーとして圧倒的だと言わざるを得ない。

EDMを基調としながら魅力の生サウンド

サウンドも申し分ない。EDMのテイストを入れていながらも、実際のサウンドは、骨太なドラム・ベースに支えられている。影丸 -kagemaru-(Dr)の重みがありながらも柔らかいスネアさばきと、龍矢 -ryuya-(Ba)の中音域が豊潤なサウンドによる正確なビート感が、シンセサイザーの音とマッチしてなんとも心地よい。さらに、ヴォーカル・命 -mikoto-の美しく伸びやかな歌唱が堪能できるのは言うまでもない。

この心地よさが、何度も聴きたくなる要素のひとつと言えるだろう。

きつねに投影した”求婚ソング”という世界観が秀逸

歌詞は、メスのきつね(女性)とみられる主人公が求婚するという主旨。「結婚しようよ」(吉田拓郎、1971年)、「ハッピーウェディング前ソング」(ヤバイTシャツ屋さん、2017年)のような”ダイレクトな求婚ソング”はこれまでJ-POP界に存在していたが、直接的な内容になりがちな”求婚”がテーマの歌詞をきつねに投影して書き上げたということが、何より斬新で秀逸だ。さらに、”コンコン”と「結婚」が掛かっているのが面白く、「狐の嫁入り」を連想することからストーリーに奥行きも感じられる。ちなみに、本人たちは「きつね」ではなく「きちゅね」というワードがかわいさを表しており肝要だと得意顔だ。

ありそうでなかったウィットに富んだ楽曲の世界観が、リスナーを虜にしている。

キャッチーで聞き手を沼らせる歌詞

そして何より、きつねからは”おおきな耳”や”もふもふのしっぽ”、”コンコン”という鳴き声が容易に連想できるし、耳やしっぽを「全部あんたのものさ」と述べる主人公の様子はたまらなく愛おしい。

つまり歌詞は、キャッチーで聞き手を逃さない世界観を見事に体現しているのだ。リスナーを”沼らせる”には、十二分であると言えよう。

つまりまとめると、上質なメロディ、心地よい生サウンド、斬新で秀逸な世界観、キャッチーな歌詞の全てが、聞き手を惹き付けてやまないのだ。

今後「-真天地開闢集団-ジグザグ」がバンドとしてのキャリアをさらに築き上げていけばいくほど、この「きちゅねのよめいり」という曲はヴィジュアル系バンドの枠を超越し、J-POP界で燦然と輝いていくことだろう。

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